公益社団法人 日本地すべり学会 新潟支部

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第43回 地すべり現地検討会 「谷根広田地すべり ~融雪期に発生したキャップロック型長距離運動地すべり~」

プログラム

見学地
新潟県糸魚川市谷根 「谷根広田地すべり」
(農林水産省農村振興局所管)
検討会場
糸魚川市ふれあいセンター ビーチホールまがたま
(糸魚川市寺町4-3-1))
開催日
2015(平成27)年10月30日(金)
行程
現地見学 11:00~13:00
検討会   14:00~16:30

開催報告

平成27年10月30日,新潟県糸魚川市に位置する農村振興局所管の「谷根広田地すべり」において,新潟支部の第43回地すべり現地検討会が開催されました。参加者は55名でした。スケジュールは,午前から昼にかけて現地を見学し,午後は会場をビーチホールまがたまに移して検討会が行われました。

 谷根広田地すべりは,複合した3つの地すべりブロックから構成されており,流下・拡散した土砂の範囲を含めると長さ350m程度,幅150m程度の規模を有しています。地すべり発生当初,滑落崖の地質境界部(上位:安山岩質火砕岩,下位:泥岩)からは滝のような湧水が確認されており,本地すべりは安山岩質火砕岩を地下水供給源とするキャップロック型の地すべりと考えられています。また,もう一つの特徴として,地すべり土塊の一部が流動化して長距離移動し,広範囲に拡散したことが挙げられ,これは土塊に含まれる水分量の他に,地すべり発生時に数10㎝あった水田上の積雪が関与していると考えられています。対策工は,地表水・地下水排除工と斜面整形工を主体として計画されていますが,特に斜面整形工については「耕作地や用水路の復旧を行いつつ,いかに地すべりの安定を確保できるか」という検討がなされています。現地は,これから恒久対策や農地復旧が本格化するという段階で,地すべり発生当初の状態をほぼ残しており,我々技術者にとって貴重な研修の場となりました。

 午後の検討会では,見学地の地形地質的特徴や地すべりの発生メカニズム,長距離運動の原因などをテーマとして,活発な議論がなされました。

 最後に,開催にあたってご協力頂いた新潟県農地部,新潟県糸魚川地域振興局,糸魚川市役所および株式会社新協地質の皆様に厚くお礼を申し上げます。

(文責:新潟支部副幹事長 渡部哲也)